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鉄部塗装の難しさ

皆様、こんにちは!

建物診断課の赤嶺です。

本日は、「鉄部塗装」についてお話しいたします。

 

前回、建物各部位の修繕周期に基づく「計画修繕工事」のお話しをいたしましたが、一般的に建物竣工後、4~5年目に最初に行う計画工事が「鉄部塗装工事」です。

「建物を新築して、5年前後で塗装工事を行うなんて有り得ない!」という声が聞こえてきそうですが、一般的に鉄等に塗られた塗膜は外壁塗膜よりも早く劣化していきます。

具体的な最初の塗膜劣化現象は、皆様ご周知の「チョーキング」です。塗料の中に含まれる顔料等の成分が粉体化して表面に析出する現象ですね。

この症状が発生すると塗膜の撥水性が著しく損なわれ、やがて剥がれや錆に至ります。

外壁にも言えることですが、チョーキングの発現が確認された段階で塗装工事を行うことが、下地処理に掛かる手間が省けるため費用も確実に抑えられます。

沖縄県は、塗膜を痛めつける紫外線量が関東地区の約2倍且つ潮風が年中吹付けているため鉄の錆被害が非常に多いです。

 

肉厚があり、耐候性に優れた鋳鉄製マンホールもこの通り

錆汁で周辺コンクリートが著しく汚れています。

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耐候性に優れた亜鉛メッキ、塗装仕上の配管もこの通り

P6240086

P6130012

う~ん、非常に見苦しいですね。

こうならないために、日曜大工等で熱心に塗装をされるお父様方も多々いらっしゃると思いますが、鉄部塗装はある意味外壁塗装よりも難しい作業なのです。

ワイヤーブラシやサンドペーパーで軽く錆を落としてからペンキを塗るだけの作業だと、1~2か月程度でまた点錆が発生します。

錆には「水分」が含まれているため錆落としを十分に行わずにペンキを塗っても直ぐ錆が発生します。

また、鉄面と塗料を強力に密着させる「鉄部専用エポキシ系プライマー」を塗らないと、直ぐに剥がれが発生します。

プライマー塗布後に仕上塗料(弱溶剤シリコンやフッ素樹脂)を2~3回塗って完成です!

仕上塗料は、間違っても水性塗料を塗ってはいけません。また従来良く使用されてたSOP(オイルペイント)や塩ビ系ペイントも沖縄の気候を考えると最良とは言えないです。

 

塗料の話ばかりしていますが、鉄部塗装で一番重要なのは外壁塗装と同様、「下地処理(ケレン)」です。この下地処理の程度に依って、施工単価が変動します。

ケレンの種類は、1~4種までありますが最も高価なのが1種ケレンです。但し、サンドブラストやショットブラスト、剥離剤を使った処理等を指すので現場では先ず施工不可能です。

現実的には2~3種程度でのケレンになりますが、ここで共通して言えることは、「完全に錆を除去することは不可能」ということです。

そこで、錆面に塗布することで化学的に錆を封じ込める塗料が各メーカーから発売されています。

 

ケレン作業の補助」として活用すれば非常に有効ですよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

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